うっかりしてました
ひさしぶりに遠出して三浦半島へ。とはいえ、やっていることは普段通りで山々を走っていました。近所をうろうろするのと変わりありません。違いは、山の高さが低いことくらいでした。
80kmくらいを走るイベントがあるからと誘われて走りに行ったのですが、イベント的ななにかだと思っていたら、レースでした。実はずっと気づかずに走ってしまい、終わった後でレースだったと知りました。。。
主催者が友人、スタッフも知り合いだったからレースっぽくないものね。ねっ。と自分に言い聞かせて気づいていなかったことを正当化です。
なんともうっかり。
自分がレースを走っていたことも、よくわかっていないわけですから、道中もうっかりしていました。
レースはというと、地図でコースを確認しながら進むスタイルでした。走ることに集中しすぎると、地図読みがおろそかになって道を間違えてしまいます。もちろん、間違えます。
間違えたことに気づいて引き返すと、なんでこんなところで間違えたのかと首を傾げたくもなります。しかし、仕方ありません。それがうっかりなのです。
何度も、何度も、うっかりしてしまいます。足どり軽く進んでいるときほど、落とし穴にはまりやすくなります。うっかりと順調は仲良しです。ついでに、疲労とも無二の親友です。
自分だけでも危ういのに、一緒に走っていた友人も同じくうっかり者でした。
5年前にレースで知り合ったシンペーくんです。僕のうっかりを受け止めてくれるこの友人は、同い年だったこともあり、一緒にチームを組んで大会に出たことも。
その時も地図とコンパスを使って進む大会でした。それなのに、シンペーくんはコンパスを使わずに太陽の位置で進みます。そして、彼も道を間違えました。そう、僕と同類です。
森を抜けて行くはずが、時計回りに1周しそうになり、自分たちのいる場所が分からなくなって呆然としていたのが、その時の顛末でした。十返舎一九の滑稽本「東海道中膝栗毛」でおなじみ弥次さん、喜多さんのような様相です。
そんなコンビなので、なにも起こらないはずはなく、お互いがうっかりして道を間違えては、互いに「そんなとこで間違える?」「しっかりしろよー」的な言葉をかけたり、首をかしげたり。話し込んでいて分岐をスルー、景色がすごいなあと見惚れてあらぬ方向に進むのもよくあることです。
三浦半島のいいところは、山の標高はせいぜい200mくらい。ちょろっと登れって下りれば、すぐに人里に戻れます。10kmも行かずに自販機やコンビニにたどり着けるわけです。数十km先まで補給ができない山域から考えると楽園でした。あとどれくらいの距離で、食料と水がどれだけ残っているか、なんてことを考えて緊張状態を保たずに済みます。
気楽で快適。そんな心持ちに忍び寄ってくるのがうっかりです。
バカな会話ばかりしていて、水分補給をサボっていたら、なんだか頭が痛んできました。熱中症っぽいと隣に伝えると、シンペーくんも「俺もそうかも」というシンクロ具合でした。なんと君も。
もはや走るうっかり野郎どもです。
2人とも不調になったことで、コンビは解散。各々のペースで走ります。ついでに山から下りたところで、すき家に寄って牛丼を食べて、腹を満たして仕切り直し。うん、満腹になったら幸せです。頭は痛むものの、ゴールまでは行けそう。
高を括って、しばらく走っていたら、頭痛はひどくなるわ、牛丼がちっとも消化されないわ。本格的に熱中症っぽい。雨が降ってきたのに回復する様子もありません。
そんな状態で山を登っていると、なんと水がない。補給しわすれていました。水切れの心配がなさそうなエリアで、まさかのうっかり。ええ、うっかりは疲労と親友ですから。
残りは20kmほどでしたが、もうこれはダメだ。頭が働いてないなあ。コースを外れてスゴスゴと山を下りて帰路についたのでした。
今回はうっかり山でした。