宴のない春。

おはこんばんちわ。飯塚です。

3月17日は何の日かご存知ですか。

Googleも3月17日はグリーン。

昨日(アイルランドはまだ今日ですが)3月17日はセントパトリックスデー。

St. Patrick’s Dayは、アイルランドにキリスト教を広めた聖人聖パトリックの命日。

カトリックの祭日、またアイルランドの祝祭日です。

最後の祭りは2年前。

本来ならアイルランド全土を挙げてお祭り騒ぎな日。

首都ダブリンのパレードは50万人もの観光客が押し寄せる一年に一度のビッグイベント。

と言ってもそれは2年前までに当たり前だった恒例行事。
今年は1月頭位にパレードをはじめとした一切の催し中止のアナウンスがありました。
今回は12月末からロックダウンでしたし元からパレード開催準備などほぼされていなかったでしょう。

今年はダブリンは5日間に渡りオンラインでイベントを開催しているようです。

昨年は2月までは通常の生活を送れていたのがイタリアやスペインでコロナで大騒ぎになり、アイルランドは3月12日に学校休校とロックダウンに。
それに伴い全国で盛大に行われるパレードが急遽中止になりました。

関係各社がパレードの準備を数ヶ月がかりでやっていたのが、全て水の泡に。

何にしても、実地での2年連続中止は寂しいもの。

国中の市町村で開催されるパレード。

この日は私の住む村のメイン通りもパレードの時間前後は通行止めになります。

シティのパレードはお金をかけて派手に催されますが、小さな村は幼稚園から小学校の生徒や地元のスポーツクラブの子供達がグリーンの衣服や装飾を身に纏いパレードをします。

2年前のパレードといってもただ歩くだけ。とりあえず緑を身につければいいんです。

2月後半からはスーパーをはじめどこのお店でもセントパトリックスデーグッズを売り出します。

パレードがない今年はほとんど売り出してませんけどね。

食べ物も緑色でとりあえず売ってます。
三つ葉のクローバー、シャムロック。アイルランドの国花であり、三位一体のモチーフだそう。

意外な事にパレードはアイルランド生まれではない。

驚く事に、実はパレードはアメリカ生まれ。

記録によると初開催は1762年ニューヨーク。
当時、ニューヨークで急増していたアイリッシュ移民がこの祭りを誕生させたそう。

以降、アイリッシュ移民の多いアメリカの主要都市では大規模なパレードが毎年開催されています。

シカゴの川がこの日は緑色に染められたりするのも有名。

この日はアイルランドの首相がアメリカに渡りアメリカ大統領と会談を行うのも例年の慣わしですが、昨年と今年は渡米はキャンセル、オンラインでの会談となりました。

セントパトリックスデーほどアメリカとアイルランドの繋がりの深さを現すイベントは他にないかもしれません。

アイルランドで逆輸入的にパレードが開催されるようになったのは1903年だそうです。

来年こそは世界中でまたお祝いされますように。

私が旅をしていた時、アルゼンチンのブエノスアイレスでこの日を迎え、パレードもありアイリッシュパブがイベントモードだったので私も昼間からビールを飲んだ記憶があります。

日本でも例年表参道のパレードはアジア最大規模のようですが、他国だとトルコやクロアチア、ロシア、シンガポール、インドでもパレードは開催されているそう。

ヨーロッパの小国アイルランドですが、世界にはアイリッシュ系移民が多いのでしょうね。

宴のない春が2年続きましたが、来年は何かしら出来るといいなぁと願う3月17日でした。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。