#29 乗ったからには勝ち馬に。
こんにちわー。ムトーです。ちょっと、あったかい。梅だか桃だかが咲いている。そんな季節。桜はもう少し先ですね。
今回は僕がすこし関わっている豊後大野市のとある地域のプロジェクトに進展があったので、報告。
「すこし関わっている」と言っても、プロデュースでもないし、有用なアイデアを出すわけでもない「関わる」ことが僕のミッションです。
担当「雰囲気」くらい。なので、まったく偉そうな顔ができない。
about 豊後大野市
まず、豊後大野市のこと。
豊後大野市 ホームページ → https://www.bungo-ohno.jp/
豊後大野と書いて「ぶんごおおの」と読みます。内陸のまちです。
大分空港からは車で約1時間半くらいの距離にあります。
2005年に7つの町と村が合併してできた市なので面積が広い。
ユネスコエコパーク、ジオパークに認定されている自然豊かなところです。
なんのプロジェクトなのか
ちょっと前に、「オルレ」という歩く旅を紹介しました。
韓国済州島発祥のトレッキング「済州オルレ」の九州版「九州オルレ」。現在、九州に約20のコースがある、その一番最初のコースが「奥豊後コース」。豊後大野市朝地町をスタートして、竹田市がゴールの約12キロ。スタート地点となるのは朝地町の無人駅「朝地駅」。JRの人がいないから「無人駅」なのだけれど、この駅構内には観光案内所があり、そのオルレを歩くためにやって来る国内外の人たちを迎え入れる案内所の人がいるのです。
でも、コロナがね。
そう。国外からオルレを歩くひとが来なくなったのです。
無人駅に、人が少ない。それは、もう、ひたすら寂しい。
そこで、朝地町の人たちが「朝地駅に賑わいを作って、人を呼び込もう!」と立ち上がったのです。
なぜか、僕にも声がかかり、お手伝いすることに。
プロジェクトの柱は大きくふたつ。
①無人駅だけど、駅弁をつくる。オルレを歩く人がリュックに入れて持ち歩きやすくて美味しい弁当づくり。
②オリジナルの可動式屋台をつくる。駅でのお弁当販売はもちろん、催事などに屋台ごと駆けつけられるものを住民のDIYで作る。
まあ、シンプルといえばシンプルなプロジェクト。
でも、これは地元のひとだけではできないので外部の人に頼ろう、ということで朝地町の人がプロに頼みます。
使われなくなったり、うまく使われていない公共空間の利活用を提案している地域科学研究所PUBLIC +チームの公共不動産プロデューサーの西田さんが、プロジェクトの総合プロデュース。
そこに、料理、設計、デザインのプロが加わって、地元のみなさんと弁当と屋台を作っていく、というはなし。
補助金を利用する関係で、事業の期限が区切られていて、実質2ヶ月くらいで形にする必要がありました。もう、毎週集まって弁当班はメニューを検討し、屋台班は屋台を製作。
で、いろいろと割愛しまして。舞台は2021年3月6日のお披露目会。
ドレスコードは「赤」か「青」
お披露目会は関係者だけにして、人を集めないようにしたかったんです。このご時世だし、会場的に駐車場や料理の準備の関係もあるし。でも、地元の人や、関わった人たちが、自分たちの作っているものが面白くてテンションがあがったのか、勝手にSNSにあげたりしてしまって。僕は「もう、募集やめて」と制止しました。本心では僕もとても告知したかったけど。
ほら、写真。馬がたくさんいるでしょ。「駅」という文字は「馬へん」だし、オルレのマスコットは「カンセ」という馬。それを建築家さんが屋台とベンチに落とし込んでくれました。その設計図をもとに地元のベテラン大工さんを中心にみんなDIYで組み立てたものです。かわいー。屋台は馬の頭の部分に黒板を差し込むことができて、お店の屋号や、メニューを書くことができるんです。
会場に傘もぶら下げました。青と赤の。建築家さんたちが、酔っ払って発注した120本のビニール傘を、前日の夕方に受け取り、ぶら下げること決めました。この朝地のひとたちのすごいところは、決めたらすぐに実行して、すぐにそれができるひとがいいタイミングで現れること。そして、それを楽しんでやってくれること。駅の近くに住む水道工事屋さんのおじさんが前日にたまたま駅に立ち寄って、傘をぶら下げたいと伝えると「明日、朝、やっちゃんわ(やってあげるよ)。」と言ってくれて。お披露目会当日の早朝、傘を吊るすロープを張ってくれたのです。そのロープに、高校を卒業したばかりの若者が傘を吊るしていく。ほんとに老若男女みんなで空間を作っていく。
オルレのイメージカラーが青と赤なので、今回のお披露目会のドレスコードを「青か赤のものを身に着ける」としました。
意外にもみんなそれを楽しんでくれて。
一見、馬鹿らしいドレスコードも、誰も文句も言わず楽しんでくれたのが本当に嬉しかったのです。
弁当試食
お弁当は、朝地町の魅力が詰まった「わっぱ弁当」、日本一の和牛「朝地牛」を使った「肉巻きおにぎり弁当」、オルレ発祥の韓国の海苔巻き「キンパ(キムパ)弁当」の3種類。フードディレクターさんがアドバイスのもと作ったお弁当に、デザイナーさんによる可愛いロゴをあしらった箸袋をつけて。
それを、馬の屋台に並べる。
本当にたくさんのひとが集まってくれて。たくさん食べてくれて。
あっという間に用意した試食の料理がなくなってしまいました。味も好評。よかった。
とにかく、2ヶ月間の突貫工事のようだったけれど、ちゃんとみんなで課題と夢に向き合った感じで楽しかった(僕だけ?)。
地域のひとの思いが、プロたちに出会うことでこれまでと違う完成度で実現できる、というのが本当に素敵。
なんのプロでもない僕は、何をしたかと言うと、、、。何したんだろ、、、。
なんとなく、寄り添った。
という、、、ぼやっとした役割です。。いつものことか。。
近々、お弁当も予約を受け付けることになりそうだし。馬型屋台でどんどん売って回ろう。
オルレを歩くときは、このオルレ弁当をリュックに入れて出発しましょう。たのしそ。
妄想旅行社ムトーツアーズ 代表 ムトー
写真提供:地域科学研究所 安藤さん、パラボラ舎 たなかさん