ホワイトデーに、何つくる?

2021年が始まったなぁと思ったら、あっという間にもう3月。
4月から中学生になる息子の制服を作りに行ったり、上履きを買いに行ったり。
入学準備が、バタバタと忙しくなってきました。

制服は小学校の時からお世話になっている、学校備品を専門に取り扱うアザミという洋装・雑貨店で。上履きはサカイヤ靴店で。体育館で使う運動靴は、3月13日と14日の2日間、中学校に販売に来るらしい。どんどん大きくなる息子の足のサイズは、現在27.5cm。上履きは29cmを買った。
運動靴も、実際に履いてみて購入しないと若干不安。13日は中学校に行くから、予定しておいてねと息子に伝えると。

「あの、さ。今年バレンタインにチョコを2つもらったんだけど、お返しをどうしようかなと思って」

「去年まではクッキーとかメレンゲのお菓子を買っていたけれど、今年もそうする?それとも、何か作ってみる?」

「う〜ん。作ってみようかな。13日、運動靴買いに行った後に作りたい。」

家庭科の授業の一環で、自分でレシピを考えたおかずを、実際に家で作ってレポートを書くという宿題をしたばかり。もしかしたら、作るのも面白いんじゃないかと思って、提案してみましたが。やってみたいと思ったようです。(家庭科の宿題で作ったおかず。もやしと玉子とキムチの炒め物。調味料はマヨネーズのみ、炒め油はごま油。というレシピを考えた息子。ちょこっとだけ味見をさせてくれました。おいしかったです)

お菓子の本を渡して、どれを作ってみたいか考えておいてね、と伝えつつ。
何を作るのが面白いか。せっかくならおいしくできて、渡したお友達にも喜んでもらえるものがいい。この1週間の間にちょこちょこお菓子を作って、考えるヒントにしてもらおうと思いつきました。

焼き菓子がいいかなぁ。アイスボックスのクッキーを作るのは、子どもも楽しそうだし、パウンドケーキに好きな具材を合わせるのもいいかもしれない。とりあえず、材料があるものから試してみるか。お菓子版「冷蔵庫にあるもんで」。無塩バター、卵、小麦粉、お砂糖はある。シンプルな材料でおいしいやつ。そうだ、マドレーヌにしよう。

シェル型にバターを塗って強力粉をはたいておくと、焼き上がった時に型をトントンと叩くだけで、黄金色のマドレーヌが踊りながらはずれる様子も楽しいんですよね。

ポンポンとマドレーヌがはずれる楽しさを味わいたいがために、レッツクッキング!

薄力粉120gとベイキングパウダー3g、サラサラふるいにかけておく。室温に戻したバターは粉と同量の120g。卵を3つ割りほぐし、グラニュー糖50g・蜂蜜を大さじ1と合わせて白っぽくなるまで混ぜる。粉を半分入れて静かに混ぜ、残りの半分も同様に生地がもったりするまで混ぜる。

たっぷりのバターを火にかけ、グツグツ沸騰させる。焦がさないように、沸騰したら中火。熱々のバターを生地に流し入れて、手早く混ぜ合わせる。急げ急げ。

バニラオイルを2滴垂らしてさくっと混ぜたら、生地を冷蔵庫で休ませる。その間に、シェル型準備。型にバターを人差し指で丁寧に塗って、スプーンにのせた強力粉をふる。シンクでパンパンとはたいて、余分な粉を落とす。型も冷蔵庫にイン。冷蔵庫で生地を寝かせている間、しばしPC仕事。コーヒーも入れよう。

ピピピ。ピピピ。

オーブンを180度に余熱。

生地のおやすみタイムも終了。冷蔵庫から取り出した生地を、ボウルの下からスプーンですくって、とろっと流れる具合を見る。全体を数回混ぜて、滑らかにする。

縦長の帆立型にスプーンで生地を流していく。あ、多めに入れすぎた。別のスプーン。少し生地を取り出す。大量に流し込みすぎると綺麗なシェル型にならないんだよね。

オーブンを開けて、天板にシェル型を乗せる。
おいしくなぁれ。あとは、25分ほどじっと待機。

朝から雲行きが怪しかったけれど、外はパランパランと雨の音。焼き上がりを待つ間、フランス語のmadeleineを調べてみると「さめざめと泣く。」という意味もあるそうで。ホワイトデーに「さめざめと泣く」意味のあるマドレーヌ…。いや、おいしいの方がきっと大事。

オーブンから小麦粉とバターのいい匂いがしてくる。粉と同量のバター。マドレーヌを0カロリーにするのは、どう考えても難しそうだ。

ピピピピ、ピピピピ。

焼き上がりはどうかな〜。オーブンをオープンしてみると、もう少し焼き色をつけても良さそうで。プラス2分、タイマーをセット。

キッチンをブラブラしながら2分経つのを待つ。

ピピピピ、ピピピピ。

再度、オーブンをオープン。今度はいい色に仕上がってる。

本日一番のお楽しみ(食べることよりも?)、型をトントンするタイムがやってまいりました。ふきんを持って、型のへりをトントン叩くと、マドレーヌが踊ります。綺麗にはずれていきます。

少しおいた方が、生地がよりしっとりしておいしいんだけれど。この匂いを嗅いでいると頬張りたくなっちゃうよね。パクッ。う〜ん。いいんじゃないでしょうか。

夕飯の後、「ホワイトデーに作るお菓子の候補1。マドレーヌはどう?」と聞きながら、息子にも試食をしてもらうと。

「うん。」とひとこと。

ソファーでゴロゴロゲームをしながら、タッパーの中のマドレーヌが1個、また1個と減っていく。おお、おお。どうやら気に入った様子。

ホワイトデーまであと1週間。どんなお菓子がお友だちの手に渡ることになるのか。せっかくなので他のおやつも作りつつ、見守りたいと思います。

こいけはなえの気になるもの。

(毎週土曜日更新)
マネージメントを中心に料理家と一緒にand recipeという会社をやってます。とにかく旅が好き。

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