日本山脈したいとです
あぁ、青空に吸い込まれたい。
山を登っていると、そんな風に思うことがあります。黙々と歩き続け、ふと視線を足下から上にあげると、抜けるような青空。どこまでも続きそうなビル群も、大きな看板もなく、視界を横切る電線もありません。
どんなに高い山よりも、さらに高いところにある青。濃縮還元されたかのようにキレイな青。飛び込みたいけど飛び込めない青。もっと上へと行きたいけど、行けないと分かっているから、吸い込まれないかな、吸い込まれたいなあ、と思うのかもしれません。
とても個人的なよく分からない欲求のようですが、「青雲の志」というくらいです。高みを目指して青空に近づきたい、というのは昔からの思いなのでしょうか。
青空を目指すと一面がスカイブルーすぎて、自分の居場所が分からなくなっちゃいますが、青い空のような志は自分の目指すところと自分の立っている場所を教えてくれます。
立ち返ることのできる目標や夢を持っていると、進むべき道を迷ったときにとても役に立つからです。北極星のように揺るぎない目標。文章を書くときも、書きたいことを最初に決めておくと、話が脱線しても立ち返ることができます。
ということで、のっけから脱線していましたが、今回書きたかったのは、今年の目標です。ようやく本線までたどり着きました。
「日本山脈縦走」をする。が大きな目標です。
日本山脈って何?と首を傾げられる前に、ざっくりと紹介します。
時は高度経済成長期の真っ只中にある1960年代前半、読売新聞社の記者が本州をひとつの山脈に見立てて、山をつないで踏破しよう!と思い立ったことに始まります。飲み会の悪ノリみたいな企画ですが、なんとOKが出てしまう、というのも経済成長期っぽいです。
そうして入念な準備のもとに、2つのチームがそれぞれ山口、青森を出発して、ゴールである富士山を目指し、本当に踏破してしまったのでした。
その記録を1冊の本にまとめたのが「日本山脈縦走」です。
かれこれ60年以上前の書籍で、もちろん絶版。ネットでたまに見かけると、けっこうな高値がついていて買うのを躊躇するほどでしたが、ある日、相場の半額以下で売られているのを見つけてしまい、衝動買いです。いやはや、いい買い物でした。
読んでいるうちに、「自分でもやってみたい」と思うようになったのも衝動的でした。
当時は、のべ2000人が関わっていたというから、とても大掛かり。さすがは大企業です。それに対して60年越しにチャレンジしようとするのは、ただの個人。なんともちっぽけで心許ないですが、目標を決めてからは毎日が楽しいばかりです。
全長5000kmという、途方もない道のりになります。こつこつ準備やトレーニングをして、一歩ずつ前に進んでいかねばです。青空に近づけるように!