ロシアンショッピング

おはこんばんちわ。飯塚です。

異国臭のする場所が好きです。

東京に住んでいた頃、ふと迷い込んだ上野アメ横センタービルの地下。

こんな面白い場所があったのか!
と一瞬にして虜になりました。

ただでさえ雑多なアメ横で更に大陸臭が漂う不思議な空間。

店員さんもお客さんも日本人率は少なく、タイ、中国、インド系調味料や野菜、果物、スーパーではまず見かけない肉や魚が所狭しと並んでいて。

ポリ袋にパンパンに入った鶏の足、巨大な緑色のバナナ、細長い貝、ココナッツジュースなどなど。
買わないけど見ているだけでウキウキするのはなぜだろう。

虫は苦手なので食べようとは思わないのですが、食への好奇心が旺盛なので基本的に何でも試してみたいワタクシ。

そうそう、山口フォト君が書いてましたけど、ここでカエルを買い、友人達と我が家で焼いて食べたのでした。
カエルは注文すると皮を剥いで頭を切り落としたのを購入できます。
15年くらい前の話ですけど、今もあれはあるのかなぁ。

ニホンコンさんが紹介していた池袋の中国も、喉から手が出るほど行ってみたい。

実は移民が多いアイルランド

アイルランドは日本よりは多国籍なので、アフリカ、インド、アジア系のスーパーや食料品店は田舎町でもあります。

断然多いのはポーランド系食品店。ポーリッシュは一番多い移民のため、コミュニティもあり、店があちこちにあります。

ポーランド語が読めない私にはなかなか買い物しずらいですが、ハムとかヨーグルト、チョコレートのようなアイルランドでも豊富に種類を取り揃えている物さえもポーランドから取り寄せて置いてあるので、恐らく決まったメーカーのが食べたい、というのがあるのでしょうね。
確かに私もたけのこの里食べたいし、ケチャップも日本のじゃないとナポリタンは美味しく作れない。
そういうことなのでしょう。

今やGoogle先生より頼りになるのはSNS

10月頭Twitterの海外在住日本人村で、ある話題がバズりまして。

ロシアンスーパーのタラコで作るタラコパスタが美味しいとか。

タラコパスタ!!

居ても立っても居られなくなりました。

意外かもしれませんがタラコはアイルランドで市場に出回っていないのです。イクラも。
基本的に漁業が盛んでこの手の魚はどこの魚屋やスーパーでも扱っているので魚卵も絶対あるはずなのに、アイリッシュは魚卵を好まないので輸出に行ってしまうという悲しい現実。
独自の裏ルートがあれば新鮮なのが絶対手に入るんでしょうけど。

さて、ロシアンスーパーなんて聞いたことありません。
ただ、ポーランドのご飯はロシア料理と共通するものが多いイメージもあり、とりあえず偵察に近場のポーリッシュスーパーに行ってみることに。

一人で探しても見当たらず、店員さんにTwitterの写真を見せました。

優しい彼女は
「ロシアの缶詰はここにはないわよ。でもロシアンスーパーがあるじゃないの、あそこならあるわよ」

ロシアンスーパー聞いたことないですよ。あるんですか?

「あら、知らないの?大きい店よ。Parkhotel知ってる?あそこの角を曲がるのよ、ホテルからだいたい100メートルくらい裏みたいな感じ。行けば見つけられるわよ。」

非常にわかりやすい説明だったし、本来ならそのまま行きたかったのですがその日は時間が限られていた為、次週の買い出しに出直すことに。

帰宅し、地元民の夫にロシアンスーパーを知っているか改めて尋ねるとやはり知らない。

またググってみてもヒットしないため、本当にあるのだろうか、半信半疑に。

いざ、ロシアへ。

そして1週間経ち、言われた場所に車を走らせると、確かにありました。

その店構えは、店というより倉庫。
かなり年季入ってるし、場所も住宅街の中にあるため、店情報がないと見つける事は不可能。

住宅街にあるこの薄汚れた建物、一見さんお断り感満載。

中に入るとすぐレジが2台あるものの、お客様をお迎えする感皆無。
やっぱり雑然とした倉庫のよう。

ジュースやアルコール、大量の水のペットボトルの棚を抜け、お菓子、冷凍庫には肉や野菜、魚介類。そして缶詰コーナーにたどり着き、Twitter写真と照らし合わせるも見つからない。

店員さんに画面を見せて
「魚の卵の缶詰め探しているんですが」

と聞くと鮭の卵のイクラ(ロシア語で魚卵はイクラと言います)しかない、という。タラコの中身の写真を見せても、そんな魚卵は見た事ない、と。

期待値が高かったこともあり、これにはガッカリ。
2歳児の息子2号も同伴していたために、店内を探し回ることは出来ずに失意のまま退散。

タラコパスタを食べる夢は遠のきました。

そうだ、またロシアンスーパーに行こう。

そんなある日、義理の母が息子2号を平日午前中に動物園に連れて行ってくれる事になりました。

私一人の自由時間、町で済ませたい用事がいくつかあり、そのついでにあのロシアンスーパーにリベンジ。

例えば、ただスーパーで買い物するだけでも一人の気楽さは格別です。
幼子連れていると基本的に子供の動きばかりを目で追うので陳列棚に目がいかない。早い話、買い物など不可能。

前回はササッと通り過ぎた店内でしたが改めて見ると食品全般品揃えが素晴らしくて感嘆。

パスタ、スープの素、缶詰も、ヨーグルト、チーズ、シリアル、サラミ、新鮮な野菜。

シーズニング系。カレーとかケバブならわかる。
全部ピクルス。ピクルス好きの息子1号のために今後この陳列棚から1種類ずつ買って我が家のお気に入りの味を探すことが家族会議で決まりました。
このかわいいパッケージに惹かれる。チーズ棚にあったし絵もスイスっぽい女の子なのでおそらくチーズ。
何と!通常スーパーでは扱いがない白菜と大根まで!シティで売っているのより立派。タラコに用がなくても今後通わせてもらいます。
餃子のようなピエロギ、ポーランドやウクライナで食べました。やっぱり餃子の美味しさは万国共通。

ロシア語読めないけど、楽しい。

そして前回来た時に見なかった冷蔵缶詰め陳列棚に。

なんだー!あるじゃん、ここに!

コレですよ、Twitter村でバズってたの。やっと会えたね!!

Twitter写真を二度見して同じのを発見しました。

いやー、やっぱり来てみるもんですな。

久しぶりにテンション上がりました。

今日はダイエット定休日。

例に漏れず魚卵嫌いな夫が不在のランチ時を狙い、いよいよ瓶詰めタラコを開封。

ロシアンスタイルはパンやクラッカーに塗って食べるようです。
懐かしいピンク色の粒々。

少しだけスプーンで掬い味見。

かなり塩辛い。日本のタラコよりしょっぱい。

でもちゃんとタラコです。

生クリーム、牛乳、バター、胡椒とボウルにタラコを混ぜて置き、茹でたパスタを投入。

まぜまぜしてお皿に盛り付け、刻み海苔を散らして完成。

息子2号もすごく気に入ったようで二人で仲良くもぐもぐが止まりませんでした。

このタラコ、煎ったらタラコふりかけも作れますね。
今、コロナの影響で日本からの宅急便は食品を送ってもらえなくなったので、これは使えるな。

タラモサラダも旨いんだよな、もしかしたらコレ見つけない方が良かったかも。
ダイエットがまた遠のいてしまいます。
でも、また美味しいものが食べられるのって幸せ。
というかそれしか幸せはないんですよ、日本人なんで。

もうロシアンスーパーの虜になりました。
ロシア語も読めるようになったら買い物もっと楽しいかな。
でもよくわからずに買って、コレぞ本物のロシアンルーレットってのも悪くない。

Twitter村の皆さん、情報提供ありがとうございました。

西果て便り

(毎週木曜日更新)
世界放浪の後にヨーロッパの西端アイルランドに辿り着く。海辺の村アイリッシュの夫、と3人の子供達(息子二人、娘一人)と暮らしています。