#25 ムトーの図書館(3冊目)
こんにちわー。ムトーです。
椎名誠さんって小説家がいます。
僕、高校1年生の時(うへ、、25年以上前か。。)に健康診断に引っかかって、1週間検査入院したんですね。入院前の検査が長くて、付き添いの母のバッグに入っていた椎名さんの「哀愁の街に霧が降るのだ」という本の上巻を借りて、病院の待合室のソファで読み始めたんです。当時の僕は本なんてほとんど読まなかったけど、何もすることがなかったので暇つぶしに。
それが面白くて面白くて。中下巻をすぐに病院に持ってきてもらって。一気に読み終えたんです。そこから本を読むようになりました。
この「哀愁の街に霧が降るのだ」のジャンルは何なのだろう、といまだによくわかっていなかったので、ネットで調べたら「自伝的小説」と説明があります。登場人物が椎名さん本人を含めて実在する人だったりで、てっきり自伝として読んでいたけど、どうやら小説だったようです。
この小説は冒頭から数十ページに渡って「何を書こうか」と悩んでいるんです。書くことが決まっていない。それをそのまま書いている。ひねくれた高校生の僕には響きました。「こんなんでいいんだ!」と。
僕はずっと、それに憧れてるんだと思います。「何書こうか」ってうだうだしてるそのこと自体を楽しく表すことに。その洒脱な感じに。
で、今回紹介したい本は「哀愁の街に霧が降るのだ」でも、他の椎名誠 作品でもなくて(違うんかい)。
たくさん取材の約束をしておきながら中々行けておりませんで。
今回も「何書こうか」の状態でした。
ということで、今回、また本の紹介です。いや、本を読む場所の紹介ですね。そういうコンセプト。
どこかいいところはないか、と、マスクを付けて出かけてみました。
大分県民が愛してやまないデパート「トキハ」にあるスターバックスコーヒーは内装がとてもカッコ良くて。ここで読書をしようと思ったけど、前もスタバで本を紹介したな、と思い出し、、。うん。移動。
地方銀行「大分銀行」の前身「二十三銀行」本店として建てられた建物「赤レンガ館」。設計したのは東京駅などを手掛けた辰野金吾。確かに、外観は東京駅と似ています(写真撮ってなかった、、)。
最近まで銀行として使われていたんですが、2年ほど前にリニューアルして、大分のいいものをセレクトしてひとつのブランドとして展開する「Oita Made(おおいたメイド)」ショップの本店となっています。で、ここにタウトナコーヒーという美味しいコーヒー屋さんも入っているんです。そのコーヒーを飲みながら本を読もう、と思ったんですが。席が埋まっていたので諦めることに。
うううんん。。。
よし。
大分市の中心部のオアシス「若草公園」へ。
若草公園は買い物とかデートとかの待ち合わせ場所になるところ。ステージもあってイベントとかもよくやっている公園です。若い頃、待ち合わせで本を読んでいたことがあったような。相手はヨシコだったか、ユーコだったか、ユキだったか、はたまたナンシーだったか忘れたけど、待ち合わせの時に本を読んで、のんびり相手が来るのを待ったものでした。ごめん、嘘ついた。ツトムでした。。
さ。寒いけどここのベンチで本を読もう。
今回読むのは
伊坂幸太郎 箸『アヒルと鴨のコインロッカー』です。
沢山の伏線を敷いて、最後に一気にそれを回収していくミステリー作品をたくさん手掛けている伊坂幸太郎。とてもシリアスな内容でも、軽快な文章で読みやすく、すぐに小説の世界に引き込まれてしまいます。
そんな伊坂さんのこの作品。あまり説明したくない。読んで欲しい。
主人公の名前は「椎名」。冒頭で椎名誠のことを書いたのは、この作品を読み直して主人公の名前を思い出したから。
椎名は大学新生活で暮らし始めたアパートの隣の住人 河崎という男から、隣の部屋に住むブータン人のために「本屋で広辞苑を盗まないか」と声をかけられる。断れなかった椎名は、河崎の犯行に手を貸すことに。河崎が本屋から盗んで手に持っていたのは広辞苑ではなく広辞林だった。
これ以上、どう、あらすじを書けばいいのかわからない。。。
わあ、すげー!
ってなると思います。
で、これ、映画化されてるんですね。小説を先に読んだ人は「これ、映画化できる??」って思うはずです。文字だから成立する世界だと思ってたんです。でも、これ、映画もすごい。ちゃんと面白いし、小説の世界観が壊されていないし、俳優さんたちの演技がとても良いので、映画は映画で観てほしい。
と、いうことで。冬の公園で読書は厳しい。
次回こそはどこかに取材に。
妄想旅行社 ムトーツアーズ 代表 ムトー